2025/05/13
1. 仮想通貨の確定申告とは?基礎知識と確定申告が必要なケース
仮想通貨は、近年投資対象として注目を集めていますが、売買によって利益が出た場合は税金を納める必要があります。 仮想通貨の税金は「雑所得」として扱われ、給与所得などと合算して確定申告を行う必要があります。 確定申告と聞くと難しく感じるかもしれませんが、適切なソフトを使えば初心者の方でも比較的簡単に手続きを進めることができます。この章では、仮想通貨の確定申告に関する基礎知識と、確定申告が必要になるケースについて解説します。
1.1 仮想通貨取引で発生する税金の種類
仮想通貨取引で発生する税金は、主に以下の3種類です。
税金の種類 | 内容 |
---|---|
所得税 | 仮想通貨の売却益や、マイニング、レンディングなどで得た利益に対して課税されます。 |
住民税 | 前年の所得に基づいて課税されます。仮想通貨の利益も住民税の課税対象となります。 |
贈与税 | 仮想通貨を贈与した場合、贈与を受けた側に贈与税が課税されます。 |
仮想通貨の売買益は、「譲渡所得」ではなく「雑所得」に分類されるため、給与所得などと損益通算することはできません。分離課税ではなく総合課税の対象となり、他の所得と合算した金額に応じて税率が決まります。税率は所得金額によって異なり、最大で45%です。
仮想通貨に関する税金についてより詳しく知りたい方は、国税庁のウェブサイトをご確認ください。
1.2 確定申告が必要になる条件
仮想通貨で利益が出た場合、必ずしも確定申告が必要となるわけではありません。以下の条件に当てはまる場合に確定申告が必要となります。
- 給与所得以外の所得(仮想通貨の利益を含む)の合計額が20万円を超える場合
- 給与所得があり、かつ給与所得が2,000万円を超え、給与所得以外の所得(仮想通貨の利益を含む)の合計額が20万円以下である場合
例えば、給与所得が年間1,500万円で、仮想通貨取引で30万円の利益を得た場合、仮想通貨の利益が20万円を超えているため確定申告が必要となります。一方で、給与所得が年間1,500万円で、仮想通貨取引で10万円の利益を得た場合は、確定申告は不要です。ただし、確定申告を行うことで、損失を3年間繰り越せるなどのメリットがあるため、損失が出ている場合は確定申告を検討する価値があります。
確定申告が必要なケースについてより詳しく知りたい方は、国税庁のウェブサイトをご確認ください。
1.3 仮想通貨の確定申告でよくある間違い
仮想通貨の確定申告でよくある間違いとして、以下のようなものが挙げられます。
- 仮想通貨を日本円に換金していなくても、税金がかかることを理解していない
- 仮想通貨同士の交換や、エアドロップ、フォークなどで取得した仮想通貨にも課税対象となることを知らない
- 損益計算を誤っている(総平均法、移動平均法、個別法など、適切な計算方法を選択する必要がある)
- 必要な書類を保管していない(取引履歴や、送金記録などは必ず保管しておく必要がある)
これらの間違いを避けるためにも、確定申告ソフトの利用や、税理士への相談を検討することをおすすめします。特に、多数の取引を行っている場合や、複雑な取引を行っている場合は、専門家のサポートを受けることで、正確な確定申告を行うことができます。
よくある間違いや注意点についてより詳しく知りたい方は、国税庁の確定申告の手引きをご確認ください。
2. 仮想通貨の確定申告を楽にする!おすすめ確定申告ソフト4選
仮想通貨取引で利益が出た場合、確定申告が必要になります。取引所や通貨の数が増えると、計算が複雑になりがちです。そこで、確定申告を簡単・正確に行えるおすすめソフトを4つご紹介します。
2.1 おすすめソフト1:CRYPTO X(クリプトエックス)
2.1.1 クリプトエックスの特徴・機能・料金
CRYPTO Xは、仮想通貨の取引履歴を自動で取得し、損益計算を簡単に行えるソフトです。複数取引所の取引履歴を一括管理できるため、取引所を複数利用している方におすすめです。新興L2や最新のDappsにも対応しているため、手入力の手間を省き、正確な損益計算を実現できます。また、DeFiやNFTにも対応しており、幅広い仮想通貨取引に対応可能です。
機能 | 詳細 |
---|---|
対応取引所 | 国内主要取引所、海外取引所多数 |
対応通貨 | 主要仮想通貨、DeFi、NFT |
価格 | 無料プラン、有料プラン(機能に応じて変動) |
サポート | メール、チャット |
機能には一部対応予定を含みます
2.2 おすすめソフト2:弥生会計オンライン
2.2.1 弥生会計オンラインの特徴・機能・料金
弥生会計オンラインは、個人事業主や中小企業向けのクラウド会計ソフトです。仮想通貨の取引履歴を手入力することで、損益計算や確定申告書の作成が可能です。会計ソフトとしての機能も充実しており、青色申告にも対応しています。仮想通貨以外の取引も管理したい方におすすめです。また、スマホアプリからも利用できるため、いつでもどこでも手軽に会計処理を行うことができます。
機能 | 詳細 |
---|---|
対応取引所 | 手入力 |
対応通貨 | 主要仮想通貨 |
価格 | 有料プラン(機能に応じて変動) |
サポート | 電話、メール、チャット |
弥生会計オンラインの公式サイト:弥生会計オンライン
2.3 おすすめソフト3:freee(フリー)
2.3.1 freeeの特徴・機能・料金
freeeは、個人事業主や中小企業向けのクラウド会計ソフトです。確定申告書の作成だけでなく、請求書作成や経費精算など、バックオフィス業務全般を効率化できます。仮想通貨の取引履歴は手入力またはCSVインポートで取り込むことができます。会計初心者の方でも使いやすいシンプルなインターフェースが特徴です。
機能 | 詳細 |
---|---|
対応取引所 | CSVインポート、手入力 |
対応通貨 | 主要仮想通貨 |
価格 | 無料プラン、有料プラン(機能に応じて変動) |
サポート | メール、チャット |
freeeの公式サイト:freee
2.4 おすすめソフト4:マネーフォワード クラウド確定申告
2.4.1 マネーフォワード クラウド確定申告の特徴・機能・料金
マネーフォワード クラウド確定申告は、無料で利用できる確定申告ソフトです。銀行口座やクレジットカードと連携することで、自動で取引履歴を取得し、家計簿としても利用できます。仮想通貨の取引履歴は手入力で取り込むことができます。シンプルな操作で確定申告書を作成できるため、初心者の方におすすめです。
機能 | 詳細 |
---|---|
対応取引所 | 手入力 |
対応通貨 | 主要仮想通貨 |
価格 | 無料 |
サポート | FAQ、お問い合わせフォーム |
マネーフォワード クラウド確定申告の公式サイト:マネーフォワード クラウド確定申告
3. 仮想通貨の確定申告ソフトの選び方
仮想通貨の確定申告ソフトを選ぶ際には、ご自身の取引状況やニーズに合ったソフトを選ぶことが重要です。以下のポイントを参考に、最適なソフトを見つけてください。
3.1 取引量で選ぶ
取引量が少ない場合は、無料のソフトやシンプルな機能のソフトで十分かもしれません。しかし、取引量が多い場合、自動で計算してくれる機能や複数の取引所に対応しているソフトが便利です。取引量に応じて適切なソフトを選ぶことで、確定申告の手間を大幅に削減できます。
3.2 対応取引所で選ぶ
利用している取引所に対応しているソフトを選ぶことは必須です。国内取引所だけでなく、海外取引所を利用している場合は、その取引所にも対応しているか確認しましょう。対応していない取引所の取引履歴を手入力するのは非常に手間がかかります。
主な国内取引所としては、Coincheck、bitFlyer、GMOコインなどがあります。 Coincheck bitFlyer GMOコイン
3.3 価格で選ぶ
無料から数万円まで、様々な価格帯のソフトがあります。機能やサポート体制が充実しているほど価格は高くなる傾向があります。ご自身の予算と必要な機能を比較検討し、最適な価格帯のソフトを選びましょう。
価格帯 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
無料 | 基本的な機能のみ。取引量が少ない人向け。 | 取引量が少なく、費用を抑えたい人 |
有料(数千円〜数万円) | 豊富な機能、充実したサポート体制。取引量が多い人向け。 | 取引量が多く、手間を省きたい人 |
3.4 サポート体制で選ぶ
確定申告は複雑な手続きです。初めて確定申告を行う場合や、わからないことが出てきた場合は、サポート体制が充実しているソフトを選ぶと安心です。電話やメール、チャットなどでサポートを受けられるか確認しましょう。
例えば、弥生は電話やチャットでのサポートを提供しています。
これらのポイントを踏まえ、ご自身の状況に最適な仮想通貨の確定申告ソフトを選び、スムーズに確定申告を完了させましょう。
4. 確定申告ソフトを使った仮想通貨の確定申告の手順
仮想通貨の確定申告は、確定申告ソフトを使うことで大幅に簡略化できます。ここでは一般的な確定申告ソフトを使った確定申告の手順を解説します。
4.1 取引履歴のインポート
まずは、各取引所から取引履歴をCSVファイルなどでダウンロードします。ダウンロード方法は取引所によって異なりますが、多くの取引所がウェブサイト上で案内を提供しています。ダウンロードしたCSVファイルを確定申告ソフトにインポートします。インポートの方法もソフトによって多少異なりますが、基本的にドラッグ&ドロップやファイル選択で簡単にインポートできます。複数の取引所を利用している場合は、それぞれの取引所から取引履歴をダウンロードし、すべてインポートする必要があります。インポートが完了すると、ソフトが自動的に損益計算を行います。
4.2 損益計算の確認
取引履歴のインポートが完了したら、ソフトが自動的に計算した損益を確認します。計算結果が正しいか、取引履歴に漏れがないかなどをしっかりと確認することが重要です。もし誤りがあれば、取引履歴のインポートをやり直すか、手動で修正します。多くのソフトでは、特定の取引の詳細を確認したり、修正を加えたりすることが可能です。損益計算の結果は、確定申告書の作成に利用されます。
4.3 確定申告書類の作成・提出
損益計算を確認後、確定申告書類を作成します。確定申告ソフトは、入力された情報に基づいて必要な書類を自動的に作成します。作成された書類の内容をよく確認し、誤りがないことを確認しましょう。確定申告書は、e-Taxを利用して電子申告することも、印刷して税務署に郵送または持参することもできます。e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードとICカードリーダライタが必要です。提出期限は、毎年2月16日から3月15日までです。
手順 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
1. 取引履歴のインポート | 各取引所からダウンロードしたCSVファイルを確定申告ソフトにインポート | すべての取引所の取引履歴をインポートすること |
2. 損益計算の確認 | ソフトが自動計算した損益を確認し、必要に応じて修正 | 計算結果が正しいか、取引履歴に漏れがないかを確認すること |
3. 確定申告書類の作成・提出 | ソフトが作成した確定申告書類を確認し、e-Taxまたは郵送・持参で提出 | 提出期限を守る(2月16日~3月15日) |
確定申告に関する詳しい情報は、国税庁ウェブサイトをご確認ください。
5. よくある質問(FAQ)
仮想通貨の確定申告に関するよくある質問をまとめました。
5.1 複数の取引所を利用している場合の確定申告はどうすればいいですか?
複数の取引所を利用している場合は、各取引所の取引履歴をすべて合算して確定申告を行う必要があります。各取引所から年間取引報告書等の資料を入手し、損益を通算しましょう。特定のソフトでは、API連携機能を利用することで複数の取引所の情報を自動で取得・集計できるものもあります。
5.2 仮想通貨の確定申告ソフトは無料のものと有料のものがありますが、どちらがいいですか?
無料の確定申告ソフトは、シンプルな取引を行う方や、ある程度のPCスキルがある方に向いています。有料の確定申告ソフトは、複雑な取引を行う方や、サポートが必要な方、確定申告に慣れていない方におすすめです。機能や価格、サポート体制などを比較し、自分に合ったソフトを選びましょう。
種類 | メリット | デメリット | おすすめの人 |
---|---|---|---|
無料ソフト | 費用がかからない | 機能が限られている場合がある、サポートがない場合が多い | シンプルな取引で、PCスキルがある程度ある人 |
有料ソフト | 豊富な機能、充実したサポート | 費用がかかる | 複雑な取引を行う人、サポートが必要な人、確定申告に慣れていない人 |
詳しくは国税庁のウェブサイトもご確認ください。
5.3 確定申告期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
確定申告期限を過ぎてしまった場合は、速やかに税務署に相談しましょう。期限後申告をすることで、ペナルティを軽減できる可能性があります。加算税や延滞税が発生する可能性があるため、注意が必要です。申告を忘れていた場合は放置せずに、できるだけ早く申告を行うようにしてください。
期限後申告について詳しくは国税庁のウェブサイトをご確認ください。
6. まとめ
この記事では、仮想通貨の確定申告に必要な基礎知識と、確定申告を簡単・安心に行えるおすすめソフト4選を紹介しました。仮想通貨取引で発生する税金の種類や確定申告が必要な条件、よくある間違いなどを理解することで、スムーズな確定申告が可能になります。紹介したCRYPTO X、弥生会計オンライン、freee、マネーフォワード クラウド確定申告はそれぞれ特徴が異なるため、ご自身の取引量や対応取引所、予算、必要なサポート体制などを考慮して最適なソフトを選びましょう。取引履歴のインポートから損益計算の確認、確定申告書類の作成・提出まで、ソフトを活用すれば効率的に手続きを進められます。自分に合ったソフトを選び、正確な確定申告を行いましょう。